本作品は、伝統的な家紋をアートへと昇華させた「京源」の三代目、波戸場承龍氏とその息子、耀鳳氏が手掛けたものです。今回は、1592年頃に描かれた長谷川等伯の国宝「楓図」を基に、当時の色彩を独自の解釈でデジタル再構築した「現代楓図」を制作しました。中央には、楓の葉をモチーフに、「ペニンシュラ」の頭文字の「P」を作り、美しくアーティスティックな家紋となっています。今春には、1593年に描かれた国宝「桜図」(智積院蔵)を基に再構築した「現代桜図」がロビーに展示され、春を感じる取り組みとして大変好評を博しました。
季節のアフタヌーンティーやランチ、ディナー、そして生演奏などとともに、日本の美しい秋をお楽しみください。
▼波戸場 承龍氏
京源三代目、紋章上繪師。紋章上繪師としての技術を継承する一方、家紋の魅力を新しい形で表現したいという想いで、2007年より家紋のアート作品を制作。紋章上繪師ならではの「紋曼荼羅® MON-MANDALA」(紋を構成する円が折り重なることで、まるで曼荼羅のように見えるもの)というオリジナル技法を生み出す。家紋やロゴデザインの域を超えて、森羅万象を描き出す職人兼デザイナーとして、あらゆる分野のデザインに挑戦し続ける。著書に『紋の辞典』(雷鳥社)/『誰でもできるコンパスと定規で描く「紋」UWAEMON』(彩図社)がある。
▼波戸場 耀鳳氏
京源四代目、紋章上繪師。工房「誂処 京源」の立ち上げを機に家紋とデジタル技術を掛け合わせた多種多様なビジネスモデルを構築。デザインの宝庫である家紋が常に身近にある環境で育ち、8歳から始めた書道で培われたバランス感覚でシンプルでミニマルなデザインを行う。父 承龍氏と共に、家紋の魅力を国内外に発信。著書に『紋の辞典』(雷鳥社)/『誰でもできるコンパスと定規で描く「紋」UWAEMON』(彩図社)がある。
紋章上繪師(もんしょううわえし)とは
着物に家紋を手描きで入れる「紋章上繪」の手仕事を行う職人。極細の筆を付帯した竹製のコンパスと定規を巧みに操り、円と線だけで繊細な家紋を墨で描き入れる職人技は、江戸時代より伝承された伝統技術として、国の選択無形文化財に選択されている。家紋が人々の生活に根ざしていた江戸時代に最も活躍し、現在ではほとんど失われつつある貴重な職業のひとつ。
株式会社 京源
1910年、日本に古くから伝わる「家紋」を着物に描く前の工程を担う職人「紋糊屋」として初代 波戸場 源次が創業。その後、二代目の波戸場 源が着物に家紋を手で描く職人「紋章上繪師」となり、三代目 波戸場承龍、息子の耀鳳へとその技術を受け継ぐ。2010年、京源三代目 波戸場承龍・耀鳳親子が工房「誂処 京源」を立ち上げ、昔ながらの手描きの手法にデジタル技術を導入し、家紋による新たな表現を作り出すデザイン会社に転向。日本の伝統的な意匠と現代感覚を融合させ、オリジナルの家紋制作をはじめ、企業やブランドへのデザイン提供、アート作品服飾雑貨など、ジャンルにとらわれず、様々なモノやコトに家紋デザインを数多く取り入れている。
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