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人生を模倣する芸術を模倣するアート

2015年9月7日
ヤン・ファーブルによる『ヒエロニムス・ボスとコンゴ―ボスを讃えて(2011-2013)』
ルネサンス期のネーデルラント(フランドル)の画家ヒエロニムス・ボスが、ベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)を一度も訪れたことがなかったことは、ほぼ間違いない事実でしょう。 だからと言って、ベルギー出身のマルチメディアアーティスト、ヤン・ファーブルが、このネーデルラント出身の画家の最も有名な幻想的で奇怪な三連祭壇画『地上の悦楽の園』から着想を得るさまたげにはなりませんでした。

ファーブルは、この傑作のテーマを拡大解釈して、祖国の残忍な植民地支配に対する批判的な眼差しを創造的に表現しつつ、『ヒエロニムス・ボスとコンゴ―ボスを讃えて(2011-2013)』の制作のヒントとなった芸術家に対してオマージュを捧げています。

表参道にある青木淳設計によるエスパス ルイ・ヴィトン東京で実施されるエキシビションでは、日本初公開となるモザイク画6点、スカル4点、鳥の彫刻4点が展示されます。

緑色の艶やかな羽があらゆる角度から光をうけて反射するこれらの作品は奇妙な美しさを放ち、よく見るとその下に潜む深い闇があらわになります。 14点の作品はすべて、伝統的な色付きガラス技法を使用せずに、手間をかけて無数のタマムシの鞘翅(さやばね)から作られています。

こうしてできあがった作品は美しくも陰鬱で、近代のボスの作品に顕著に見られる美と恐怖との関係を暗示するものであると同時に、ベルギー人入植者たちによるコンゴの苛酷な扱いを非難するものとなっています。

2015年9月23日まで。

渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道店7F / +81 3 5766 1094 / 毎日12:00-20:00 / espacelouisvuittontokyo.com
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