デスクトップ版(PC版)を閲覧中です。

モバイル版へ変更
close
ペン・シティに戻る

メイン州の絵

2017年3月9日
「Marsden Hartley's Maine」

その抽象的なイメージ、抑えに抑えたトーン、狂気じみたインスタレーションゆえに、モダンアートは時に馬が怯えるような疑惑を呼ぶことがあります。でも、怖がる必要はありません。「Marsden Hartley’s Maine」(3月15日から6月18日まで)をチェックすれば、ポニーすら飛び跳ねて喜び、満足するはずです。海洋生物、帆船、泳ぐ人やトランクス姿のいい男の絵画アートがお好みなら、メトロポリタン美術館分館The Met Breuer(メット・ブロイヤー)に急ぎましょう。…

前評判の高いこの展覧会は、この20世紀のモダニストが郷土アメリカを称えようと初期に描いたポスト印象派の風景画を考察するものです。マーズデン・ハートレー(Marsden Hartley)(1877-1943年)は、米国以外ではさほどその名を知られていないかもしれません。しかし、ハートレーがキャリアをスタートさせた緑濃い内陸地の田園風景の作品には、だれもが魅了されることでしょう。絵筆使いの荒く暗い絵画には、荒廃した沿岸地域、無骨な住人たち、威圧感のあるカターディン山が描かれています。彼は、ドイツやマサチューセッツ州、ニューメキシコ州、カリフォルニア州、ノバスコシア州の風景も描いていますが、最も親しみを感じていたのがメイン州でした。ここは、生涯にわたって、ハートレーの人生や人付き合いと密接につながっていたインスピレーションの源だったのです。

展覧会は主にメイン州ですが、ハートレーの作品は、フランスのモダニズム画家セザンヌ(Cézanne)、日本人浮世絵師の歌川広重と葛飾北斎、海景を愛する同好の士、アメリカ人のウィンスロー・ホーマー(Winslow Homer)やアルバート・ピンカム・ライダー(Albert Pinkham Ryder)のキャンバス画とともに展示されます。どれも、ハートレーの構想を方向付けた作品ばかりです。

同性愛であることを隠していたハートレーにとって、世界各地を旅するコスモポリタンだった自分とは相容れないメイン州という田舎での暮らしは難しいものでした。その興味深い、故郷と遠方の間で生じた葛藤がキャンバスに具現されているのです。お見逃しなく。

2017年3月15日-6月18日。

Marsden Hartley's Maine / 3/F / The Met Breuer / 945 Madison Ave / Upper East Side / +1 212 731 1675 / 火-木、日 10:00-17:30、金-土 10:00-21:00 / metmuseum.org

このページの先頭へ