ペン・シティに戻る

フォー・カントリーズ

2014年4月7日
人の通わぬ道
ビジュアルアーティストで詩人のチェイス・ピアサス(Chath Piersath)が、旅を身近に感じてきたのは確かです。しかし、その旅は、私たちが普段、「旅」という言葉から連想する楽しい旅ではありません。 わずか11歳の時、クメール・ルージュ政権下のカンボジアから逃れた後、ピアサスはタイで生活。1981年に米国への亡命を求め、その後はトルコで暮らしました。当時の経験を結集させたものが、彼の最新ポートフォリオです。 現在、バンコクにあるHギャラリー(H Gallery)の実験プラットフォーム「Hプロジェクトスペース(H Project Space)」で、ピアサスは前述の土地土地でその時々に経験したことを検証するモノクロ絵画コレクション『フォー・カントリーズ(Four Countries)』を発表しています。

ピアサスの描く超現実的で夢想的な風景は、シャガールを思わせると言ってもよいもの。暗い色のアクリル絵の具を使い、記憶と夢の錯綜した関係をとらえているようです。その一方で、思考を抽象化した断片のごとき背景に独創的なコラージュを貼り付け、死の恐怖を強く表現しています。 旅を通じて人はいかに変わることができるかという点のみならず、はかなさという心の本質や、慌ただしく押し寄せる新しい経験がいかに古い記憶を難なく上書きしてしまうかという点に拘る自分をも、ピアサスは受け入れているのです。 旅をしませんか。これまでに体験したことのないような旅を……

2014年5月25日まで。

2/F / H ギャラリー / 201 Sathorn Soi 12 / +66 8 5021 5508 / 水曜日 - 月曜日 10:00 - 18:00、火曜日閉館 / hgallerybkk.com
このページの先頭へ